Kさんがいた春
中途採用で新しい職場に入った春のことです。
周りはすでに仕事に慣れていて、専門用語も当たり前のように飛び交っていました。私は何をするにも一歩遅れ、同じミスを繰り返してしまうこともありました。覚えが悪い自分に落ち込み、注意されるたびに肩をすぼめていたのを覚えています。
そんな中で、先輩のKさんだけは少し違っていました。
ミスをすると、まず静かに状況を整理してくれました。そして、「ここはこうしたほうがええよ」と具体的に教えてくれました。
時には上司の前で、さりげなくフォローしてくれたこともあります。
決して甘やかすわけではありません。ただ、頭ごなしに叱るのではなく、「次どうするか」を一緒に考えてくれました。
その姿勢に、何度救われたか分かりません。
仕事ができない自分に嫌気がさしていた時期もありました。それでも、「Kさんがいるから、もう少し頑張ろう」と思えたのです。
支えがあると、人は踏みとどまれるのだと、あの春に知りました。
少しずつ仕事を覚え、やがて後輩ができた頃、ふとKさんの言葉を思い出しました。あのとき自分がしてもらったように、次は自分が誰かを支えられる人になりたい。そう思えるようになったのも、あの春があったからです。
今も感謝しています。あの時期がなければ、今の自分はなかったのかもしれません。
<編集追記>
しまいきれない春の想い出は、厳しさの中にあった優しさとともに残るのかもしれません。サブクロに預けるのは物でも、あの日かけてもらった言葉は、これからも自分の中で静かな指針になり続けるのだと思います。
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周りはすでに仕事に慣れていて、専門用語も当たり前のように飛び交っていました。私は何をするにも一歩遅れ、同じミスを繰り返してしまうこともありました。覚えが悪い自分に落ち込み、注意されるたびに肩をすぼめていたのを覚えています。
そんな中で、先輩のKさんだけは少し違っていました。
ミスをすると、まず静かに状況を整理してくれました。そして、「ここはこうしたほうがええよ」と具体的に教えてくれました。
時には上司の前で、さりげなくフォローしてくれたこともあります。
決して甘やかすわけではありません。ただ、頭ごなしに叱るのではなく、「次どうするか」を一緒に考えてくれました。
その姿勢に、何度救われたか分かりません。
仕事ができない自分に嫌気がさしていた時期もありました。それでも、「Kさんがいるから、もう少し頑張ろう」と思えたのです。
支えがあると、人は踏みとどまれるのだと、あの春に知りました。
少しずつ仕事を覚え、やがて後輩ができた頃、ふとKさんの言葉を思い出しました。あのとき自分がしてもらったように、次は自分が誰かを支えられる人になりたい。そう思えるようになったのも、あの春があったからです。
今も感謝しています。あの時期がなければ、今の自分はなかったのかもしれません。
<編集追記>
しまいきれない春の想い出は、厳しさの中にあった優しさとともに残るのかもしれません。サブクロに預けるのは物でも、あの日かけてもらった言葉は、これからも自分の中で静かな指針になり続けるのだと思います。