フィギュア保存・保管術|コレクター向けに整理収納アドバイザーが徹底解説
フィギュアを集めていると、いつの間にか部屋中を占領し、「もう置き場所がない…でも捨てられない」「長期間キレイに保存したいけど、正しいやり方が分からない」
という悩みにぶつかるものです。
この記事では、初心者でも実践できる “正しいフィギアの保存方法と保管術” を解説します。大量保有しているコレクターでも、今日から実践できる内容を盛り込みました。ぜひ記事を読みながら、あなたのコレクション環境を見直してみてください。
フィギュアが劣化する原因

フィギュアは飾って楽しむアイテムですが、素材がデリケートなため、保存環境が悪いとすぐに劣化します。まずは、なぜ劣化するのかを知りましょう。
温度(高温による変形・接着剥がれ)
PVC・ABSは 熱に弱く、軟化しやすい素材 です。
特に夏の室温上昇(30℃〜40℃)は危険領域。
- ポーズが崩れる
- 台座との接着が取れる
- パーツが傾く
- 可塑剤が染み出してベタつく
という症状が出やすくなります。
理想温度:18〜24℃(30℃以内)
湿度(カビ・ベタつき・箱の劣化)
湿度が高いと、
- カビの発生
- 箱・紙パッケージの歪み
- フィギュア表面のベタつき
などが起こりやすくなります。
理想湿度:40〜55%(上限60%以下に抑えること)
湿度60%を超える日が多い地域では、乾燥剤・除湿対策が必須です。
紫外線(黄ばみ・色あせ)
黄ばみは紫外線による化学変化が原因。
直射日光はもちろん、蛍光灯でも徐々に退色します。
- 白い部分が黄ばむ
- 透明パーツが濁る
- 髪や衣装の色があせる
という症状は、多くのコレクターが経験する“悩みの王道”です。
UVカットケース・UVカットフィルムを活用するだけで劣化速度は大幅に遅くなります。
ホコリ(塗装剥がれ・汚れ固着)
ホコリは見た目が悪いだけでなく、
油分と結びつくことで取れなくなる汚れを作ります。
頻繁に掃除できない人は、最初からケース保管を推奨します。
物理的な破損(落下・転倒)
特に以下の状況が危険です。
- 地震(日本では必須対策)
- 棚の安定性不足
- 支柱一本で支える片足立ちのフィギュア
- 箱詰め時の圧迫
破損は「保存」より「保管」時に起こりやすいため、収納する際の設計が重要です。
やってはいけないフィギュア保存・保管方法(NG行動)
- 直射日光下に飾る
- 高温多湿の場所に放置(押し入れの奥など)
- オープン棚で長期放置
- 新聞紙に直接包む(インク移り)
- アルコールで拭く
- 密閉袋に入れっぱなし(カビの温床)
- 屋外コンテナで長期保管
これらは劣化の原因になります
理想的な保存・保管環境
- エアコン必須、理想温度:18度~24度(上限温度30度以内)
- 理想湿度:40~55%(上限60%以下に抑えること)、要除湿器
- UV対策が施されたケース(ほこりがつくのでオープン棚NG)
正しいフィギュアの保存・保管方法
ここでは、短期間の保存や、普段の部屋でのディスプレイ時に特に意識したいポイントを、具体的な手順とともにわかりやすくまとめました。フィギュアを思い切り楽しみたい人、なるべく状態良く保ちたい人、そして大量コレクションを抱える人にも役立つよう、「飾る」「しまう」の2つの視点に分けて丁寧に解説していきます。
あなたの大切なフィギュアたちが、今日よりももっと“良い環境”で過ごせるように。まずは自宅のディスプレイ環境や収納方法と照らし合わせながら、一つずつ実践してみてください。
部屋で飾る場合(ディスプレイ保存)
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UV対策
- 直射日光が当たらない位置へ
- UVカットアクリルケースが最適
※カーテンを閉めていても、実は紫外線は生地を透過して部屋の中に入り込みます。とくにレースカーテンは遮光性が低く、日差しが和らいで見えてもUVはしっかり届いています。長時間の積み重ねによって、フィギュアの白い部分の黄ばみや、髪・衣装の色あせを引き起こす原因になるため注意が必要です。
窓がある部屋で飾る場合は、紫外線を大幅にカットできる窓用フィルムを貼っておくと劣化速度を一気に遅らせることができるので非常に効果的です。
温度・湿度管理
- 夏場はエアコン必須
- 室温25℃前後
- 湿度40〜55%
※ガラスケース内は一見すると室温と同じ環境に思えますが、実際には照明の熱や密閉構造の影響によって内部の温度が上がりやすく、外気との温度差が生まれやすい場所です。とくにLEDライトやスポットライトを使用している場合、長時間点灯させることでケース上部に熱が滞留し、フィギュアの柔らかいパーツがわずかに変形することもあります。また、季節によっては湿気もこもりやすく、ベタつきやカビのリスクが高まることも。そのため、ガラスケースを設置する際はライトの熱量が少ないものを選ぶ/点灯時間を調整する/ケース内に湿度計と除湿剤を併用するなど、内部の環境を意識して管理することが大切です。見た目の美しさだけでなく、フィギュアの寿命を大きく左右するポイントとして覚えておきましょう。
ホコリ対策&メンテナンス
- オープン棚NG。ケースに入れるだけで掃除頻度は劇的に減ります。
- エアダスターで表面のホコリを優しく吹き飛ばす
- 柔らかいブラシ(化粧ブラシ)で払う
- ベタつきが出たら中性洗剤を薄めて拭く
※アルコールは絶対に使用しないでください。フィギュアに使われている塗料は、木製家具や家電のような耐溶剤塗装ではなく、非常にデリケートな樹脂系・ラッカー系塗料が多いため、アルコールに触れると一瞬でツヤが失われたり、色がにじんだり、最悪の場合は塗装そのものが溶けてしまうことがあります。特にPVCフィギュアの髪や衣装の細かいグラデーション部分はダメージを受けやすく、一度劣化すると元には戻せません。
箱にしまって保存・保管する場合
ディスプレイして眺めて楽しむのも魅力ですが、フィギュアを長期間きれいな状態で残したい場合は“正しくしまう”ことが重要になります。飾る時とは異なり、保管時は温度・湿度・圧力・密閉度など複数の要素が影響するため、ちょっとした工夫の差で保存状態に大きな差が出ます。ここでは、コレクターが実践している「正しいしまい方」を、理由とともにわかりやすく紹介します。
まずは電池を取り出す
電池を“入れっぱなし”にして長期間保管すると、内部で液漏れが発生し、金属部分の腐食やパーツの汚損につながる危険性があります。電池の液漏れは一度起きると修復が困難で、フィギュア本体にまで被害が及ぶことも。見た目がきれいでも、内部で劣化が進んでいるケースもあるため、しまう前に必ず電池を抜いておくことが基本です。
元箱+ブリスターが最強
- ブリスターで形状固定
- 外箱で衝撃吸収
- 付属品の管理もしやすい
フィギュアをもっとも安全に保護できる方法は、やはりメーカーが設計した「元箱」に戻すことです「元箱は捨てないほうがいい」とコレクターが口をそろえて言うのは、この“総合的な保護力”が理由。長期保管だけでなく、いずれ手放す・売却する可能性がある場合も、元箱の有無で価値が大きく変わります。
プラコンテナにまとめる
- 湿気に強い
- カビが発生しにくい
- 重ねても潰れにくい
複数のフィギュアをまとめて保管する際は、段ボールよりも密閉性が高いプラコンテナ(プラスチック製コンテナ)が圧倒的に向いています。透明タイプのプラコンを選ぶと、どの箱に何が入っているかが一目で分かり、探し物の時間を大幅に短縮できます。大量コレクターには必須アイテムです。
乾燥剤を入れる
保管環境でとくに注意すべきは湿度。フィギュアのベタつき・カビ・箱の劣化を防ぐため、シリカゲルなどの乾燥剤を適量入れておくと安心です。
- うっすら湿気を吸う程度が最適
適切な湿度管理はフィギュア保存の基本。
- しかし、入れすぎは禁止
乾燥しすぎるとPVC素材の“可塑剤(やわらかさの元)”が抜け、
→ パーツのひび割れ
→ 乾いたような質感の劣化
を招く恐れがあります。
※入れすぎると乾燥しすぎて割れの原因になるため注意。
重ねる順番
コンテナや箱を積み重ねる場合、順番を間違えると箱のへこみや中身の破損につながります。以下は必ず守りたい基本ルールです。
- 重いものを下に
体積が大きいフィギュアや、重量のある作品は一番下へ配置。
- 軽い・高額品を上に
高額フィギュアほど衝撃に弱いことが多く、また箱のつぶれも価値に影響します。
“上に置く=守る”というイメージで管理すると、自然と破損リスクの少ない収納が完成します。特に限定品・希少フィギュアは最上段に置くくらいの慎重さがベストです。
素材別(PVC/ABS、レジン、ソフビ)の注意点
フィギュアはすべて同じ素材で作られているわけではなく、それぞれの特徴や弱点が大きく異なります。そのため、素材ごとの性質を理解して適切に扱うことが、長期保存の品質を左右します。同じ「フィギュア」というカテゴリでも、熱に弱いもの・衝撃に弱いもの・色移りしやすいものなど、注意ポイントは実にさまざま。ここでは代表的な3つの素材ごとに、気をつけるべきポイントをわかりやすくまとめました。
PVC / ABS(一般的なフィギュア)
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PVCやABS製のフィギュアは市場にもっとも多く流通しており、初心者〜上級コレクターまで幅広く愛用されている素材です。しかし、扱いやすい一方で、環境の影響を受けやすいデリケートな性質も持っています。
- 熱で変形しやすい
夏場の室温上昇やケース内の熱こもりで、細い部分が曲がったり、台座との接続が緩んだりします。
- ベタつきやすい
経年で可塑剤が表面に出てくることでベタつきが発生し、ホコリが固着しやすくなります。
- 色移りしやすい
衣装パーツどうしの密着や、他の素材と重ねて保管すると色が写ることがあります。
→ 接触箇所には中性紙を挟むと安全。
中性紙はフィギュアの塗装に負担をかけず、余計な化学反応を起こさないため最適です。
PVC/ABSフィギュアは「扱いやすい=劣化しにくい」わけではありません。むしろ、最も日常的な劣化が出やすい素材なので、温度と接触面のケアが非常に重要です。
レジンキャスト(ガレキ)
レジンキャストはガレージキットや少数生産の高額フィギュアでよく使用される素材で、非常に繊細です。造形のシャープさと再現度は抜群ですが、保存には細心の注意が必要です。
- 脆い
細いパーツは特に折れやすく、ちょっとぶつけただけでも破損することがあります。
- 衝撃に弱い
PVCのようなしなやかさがないため、落下や振動がそのままダメージにつながります。
→ 箱の中で動かないよう、スポンジとプチプチで固定する。
ぴったり固定し、中でガタつく余地をなくすのが基本。深めのスポンジを使うと説明書やパーツと一緒に安定して収納できます。
コメント:
レジンは「動かさないこと」が最大の保護になります。頻繁に出し入れするほど破損リスクは跳ね上がるため、特にコレクション用の保管に向いています。
ソフビ
ソフビ(ソフトビニール)は柔軟性があり、人気キャラクターやアートトイなどでも使用される素材です。丈夫そうに見えますが、こちらも独特の弱点があります。
- 高温で変形しやすい
素材が柔らかいため、車内や直射日光の近くなどでは簡単に歪んでしまいます。
- PVCとの接触で色移り
ソフビとPVCを密着させると、可塑剤の相互作用で色移りが起きやすくなります。
→ 個別に袋へ入れ、重ねないこと。
個別保管が基本。重ねると上の重みで形が変わるだけでなく、色移りの原因にもなります。
コメント:
ソフビは「軽いから安全」と思われがちですが、実際には保存時の“接触”が大敵。個別袋+独立スペースを確保するだけで劣化リスクは大幅に減らせます。
大量のフィギュア保存・保管をどうするの?

大量保有者の多くは「手放す・残す」の判断に困ります。
ここでは整理収納の理論やスペース問題の解決も含めて解説します。
「飾る/保存・保管/手放す」の判断基準は「感情・実用・未来」
感情的価値
- ワクワクするか
- 思い出があるか
- シリーズ性があるか
実用的価値
- 市場価値
- 状態(劣化)
- 維持コスト
- 保管難易度
未来的価値
- 今後も飾りたいか
- コレクション計画に合うか
- 再入手の困難さ
総合的に判定すると、“残す/手放す/外部保管” の最適解が見えてきます。
スペースを圧迫しない収納の仕組み
用途ごとに“仕分け”る
大きな外箱(パッケージ)が邪魔なときは、「箱本体・台座・付属品・説明書」をそれぞれまとめると効率化できます。中身を“用途ごと”に分けて、別の収納ケースへまとめます。
フィギュア本体
→ 同じサイズ帯のフィギュアをまとめてプラコンへ収納
※緩衝材で個別に保護する
台座
→ 台座だけを集めた箱を作る
- 台座は薄く重ねやすい
- バラすと大きさが均一になり、保管効率が上がる
付属品(手・表情・小物など)
→ ジップ袋+ラベル管理して1つのケースへ集約
例)「A-01 付属品セット」「表情パーツ」「武器パーツ」など分類
説明書・カード・交換パーツのリスト
→ クリアファイル or 書類ケースにまとめる
- メーカー別
- シリーズ別
など整理しやすい
“外箱”だけは折りたたんで別保管
多くのコレクターがやっている方法です。箱を折りたたんでまとめることで、収納容量が1/5〜1/10まで減る 場合もあります。
隙間を作らない収納
同形状の四角いプラコンを使い、箱を並べることでデッドスペースを消すのがコツです。
写真保存・デジタル管理

フィギュアは物理的なスペースを必要としますが、デジタル情報は場所を取りません。
飾った状態の写真を保存
フィギュアを飾ったときの写真をスマホで撮影し、
- アルバムアプリ
- クラウド(Googleフォト・iCloud)
- SNSの非公開フォルダ
にまとめておくと、現物を出さなくても楽しめます。
また、過去のディスプレイ例が残るので、模様替えの参考にもなります。
購入記録・価格をメモ
購入日や価格、ショップ名、限定性の有無などを
スプレッドシートやメモアプリに記録すると、
資産管理がしやすく、手放す判断もしやすくなります。
例)
- 2023/12/10 1/7スケール 初音ミク 価格:17,800円
- AmiAmi限定版
思い出メモ(感情価値を可視化)
思い入れがあるフィギュアほど、手放すか悩むもの。
「なぜ買ったのか」「当時のエピソード」をメモしておくと、
残すべきか・外部保管すべきか の判断がスムーズになります。
付属品の位置情報を記録
フィギュア本体と付属品を別管理する場合は、
- パーツの写真
- 収納した箱やコンテナの番号
をスマホで撮っておき、アルバムで分類するのが最も早いです。
これだけで、
「あの表情パーツどこだっけ?」問題がゼロになります。
✨ デジタル管理のメリット
- 現物を出さずにコレクションを振り返れる
- 探し物時間ゼロ
- スペースを圧迫しない
- 売却時にも情報が役に立つ
- 災害時でもデータは失われにくい(クラウド保存の場合)
フィギアを寄付をして社会貢献
フィギュアを手放したいけれど、捨てるのはもったいない——そんな時は寄付という選択肢があります。大切にしてきたコレクションだからこそ、寄付で誰かの喜びに変える方法を選んでみませんか。
具体的な送り先(社会貢献につながる寄付ルート)
- セカンドライフ https://www.ehaiki.jp/second/
- いいとこシップ https://eco-to-ship.jp/
サブスク型収納サービスやトランクルームを活用する選択肢
温度・湿度管理の重要性
屋外コンテナは夏50〜60℃まで上がるため、フィギュア保管には不向き。
フィギュアは 空調のある屋内型トランクルーム一択 です。
屋内型トランクルームを推奨
大量コレクターは自宅+トランクルームの併用がもっとも合理的です。あなたの家に1年中誰かがいて、温度・湿度を管理してくれるならいいですが、そうはいきませんよね。本当は全部出してずっと飾っていたいけど、家族の目もある、、。仕方なく大切なフィギュアを、ダンボールにつめて、乾燥や多湿を気にしながらも仕方なく部屋のすみにおいてしまっている、、、というのが多く大量コレクターの現状ではないでしょうか。
サブクロなら保管環境もばっちり
サブクロのトランクルームは、コンシェルジュが温度と湿度をしっかり管理してくれるから、フィギュアにとって理想的な環境がずっとキープされます。もちろん直射日光はゼロ!屋内型の占有スペースを借りるタイプなのに、なんと“集荷・配送サービス付き”でとっても便利です。

さらに嬉しいのが、月8回までフィギュアの出し入れが月額料金内に含まれるというポイント。思い立ったらすぐに取り出せるので、「あのフィギュア飾りたいな」と思ったときも、いつでも手元に呼び戻せます。自社ビルでのセキュリティ管理も徹底されているので、大切なコレクションを安心して預けられます。
こうした“安心・便利・劣化対策バッチリ”の環境がそろっているからこそ、たくさんのフィギュアコレクターがサブクロを利用しているんです。

しかも今なら、月額料金が1ヵ月0円+6か月間7,980円になるお得なキャンペーンを実施中!(2025年12月現在)このタイミングで始めない理由はありません。
まとめ
フィギュアの劣化を防ぎ、長期間キレイに残すには、
「温度」「湿度」「光」「ホコリ」「圧力(衝撃)」
この5つをコントロールすることが鍵です。
- 飾るならUV対策+ガラスケース
- 保存するなら元箱+プラコン+乾燥剤
- 大量保管なら番号管理+トランクルーム
- 捨てられない人はデジタル保存で気持ちを整理
これらを組み合わせれば、コレクションが増えても快適に管理できます。
整理収納アドバイザーとしてのコメント
フィギュアは「モノ」ですが、コレクターにとっては思い出であり、自己表現であり、心の支えです。(整理収納アドバイザーのセオリーに反する見解ですが、
無理に手放す必要は、絶対にありません。)
大切なのは、“あなたとフィギュアが幸せに生きられる環境をつくること”。
そのためにこの記事が、あなたとフィギュアの未来を守るための一助になれば幸いです。