改札前の約束
春は別れの季節だと、あのとき初めて実感しました。
仲の良い友達が、遠くへ行ってしまうことになったのです。進学か就職か、とにかく新しい場所へ向かうための別れでした。
駅まで見送りに行きましたが、不思議と涙は出ませんでした。寂しさは確かにあるのに、どこかで「また会える」と信じていたからかもしれません。
「ちゃんと連絡し合おうな」
「休みが合ったら会おう」
改札の前で、そんな約束を交わしました。今のように気軽なメッセージアプリもありませんでした。当時はまだメールも一般的ではなく、家の電話や手紙が頼りでした。それでも、交わした言葉はとてもあたたかく、確かなものでした。
離れてから、実際に何度か連絡を取り合い、時々会うこともできました。頻繁ではありません。それでも、「つながっている」という感覚が、心の支えになっていました。
距離ができると、関係は自然に薄れていくものだと思っていました。けれど、本当に大切な人とは、形を変えながらも続いていくのだと知りました。会えない時間があるからこそ、再会の喜びも増すのかもしれません。
春になると、あの改札前で交わした言葉を思い出します。別れは終わりではなく、関係の形が変わるだけだったのだと、今なら静かに思えます。
<編集追記>
しまいきれない春の想い出は、離れても続く約束の中に息づいているのかもしれません。あの日交わしたあたたかな言葉は、これからも心の中でずっと残っていくのでしょうね。
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仲の良い友達が、遠くへ行ってしまうことになったのです。進学か就職か、とにかく新しい場所へ向かうための別れでした。
駅まで見送りに行きましたが、不思議と涙は出ませんでした。寂しさは確かにあるのに、どこかで「また会える」と信じていたからかもしれません。
「ちゃんと連絡し合おうな」
「休みが合ったら会おう」
改札の前で、そんな約束を交わしました。今のように気軽なメッセージアプリもありませんでした。当時はまだメールも一般的ではなく、家の電話や手紙が頼りでした。それでも、交わした言葉はとてもあたたかく、確かなものでした。
離れてから、実際に何度か連絡を取り合い、時々会うこともできました。頻繁ではありません。それでも、「つながっている」という感覚が、心の支えになっていました。
距離ができると、関係は自然に薄れていくものだと思っていました。けれど、本当に大切な人とは、形を変えながらも続いていくのだと知りました。会えない時間があるからこそ、再会の喜びも増すのかもしれません。
春になると、あの改札前で交わした言葉を思い出します。別れは終わりではなく、関係の形が変わるだけだったのだと、今なら静かに思えます。
<編集追記>
しまいきれない春の想い出は、離れても続く約束の中に息づいているのかもしれません。あの日交わしたあたたかな言葉は、これからも心の中でずっと残っていくのでしょうね。